スキンケア指導の大切さ

スキンケア指導の大切さ

皮膚科医の仕事の一つは「症状に応じた薬を処方する」ことです。

例えば、かゆみがあればかゆみ止めを処方し、乾燥肌があれば保湿剤を処方します。症状をよく伺い、皮膚の状態を詳しく観察し、必要な検査を行い、その結果を総合的に組み合わせて診断し、適切な薬を処方するといった流れで診療が行われます。そして、皮膚科医にとって、もう一つの大切な仕事は「スキンケア指導」です。

例えば「これは湿疹ですね」といった後に、かゆみ止めの塗り薬の使い方を詳しく説明するだけでなく、なぜ湿疹ができたのか、どうすれば湿を予防することができたのかを伝えること。これが何より大切です。湿疹の原因が乾燥だと説明する皮膚科医がいますが、この説明ではまったく足りません。なぜ乾燥しているのか、その原因を説明する必要があります。

しかし、実際には、スキンケア指導をする皮膚科医はそれほど多くないように私は感じています。そう感じる理由は、私が次のような例を頻繁に経験するからです。

ある女性が、腕と脚のかゆみで自宅近くの皮膚科を受診し、乾燥性湿疹と診断されました。

副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)の外用薬と保湿クリームを処方されて塗ってみるものの、2週間が経過しても全然よくなりません。その後も何度か通院を続けましたが、向に改善しませんでした。

そこで女性は通院先を変え、私のもとへいらっしゃいました。かゆみのある腕や脚はひどく乾燥して白く粉がふいたようになり、ところどころに赤みと細かな盛り上がりがあり、かき壊しが目立ちます。明らかに乾燥肌による湿疹です。

そこで、普段のお風呂の入り方を聞いてみると、毎日風呂に入り、ボディソープをつけたナイロンタオルで全身をこすり洗いし、熱いお湯に長くつかっている、という返事でした。

どんなに優れたかゆみ止めや保湿クリームを塗ったとしても、このような「洗い過ぎ」の入浴法をしているかぎり、決して乾燥肌や湿疹は治りません。そのことをお伝えし、ナイロンタオルとボディソープはやめてお湯洗いにすること、お湯につかる時間は2~3分程度にすること、それが大事なのでした。

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